その近くの林道を車で15~20分進むと、息子が遺体で発見された沢の入口に到着します。
息子が発見された場所は、傾斜角60度の谷底の沢で、私達にはバス停の名称が強く印象に残ります。
バス停の近くには小学校も公民館もある町があり、息子が運動靴さえ履いていれば、命を亡くすこともなかったという思いが強く沸き起こります。
誰でも開けられる扉、開けっ放しになってもしっかりした監視体制をとっておらず、入所者が出て行ったことが判っても、点呼を取らない施設。
扉は部外者でも開けることができ、相模原の事件のような凶悪な意図を持った人物でも自由に入ることができる状況でした。
明らかな過失を処分しない東京都。
口惜しさがどんどんつのります。
今春、東京と大阪の認可外保育施設で幼児の死亡事故がありました。
大阪は「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」を返却させましたが、東京は指導のみの対応になっており、行政の姿勢にも違いが感じられます。
待機児童を減らすため、保育施設を増やそうとしている行政。
安全性の垣根を低くしても施設の数を増やす。
東京都にいたっては処分すべき事態にもしない姿勢。
決して障がい者だけの問題ではないと思います。
障害者入所施設、社会福祉法人藤倉学園を私達に紹介・斡旋したのは、東京都の児童相談所で、施設の行政を担当する東京都福祉保健局の傘下にあります。
東京都に対して、息子の行方不明当初から事故の調査を依頼しました。
調査結果は、遺体の身元が確認されたのちに還元されました。
複数の職員の不適切な対応と設備の疎漏な管理が行方不明の原因で、過失を認定しています。
しかし、東京都は重ねての依頼にも関わらず、施設に対しては改善指導にとどめ、行政処分をしません。
「紹介責任の回避」の意図が強く感じられます。
こうした事実を障がいの有無にかかわらず、お子さんを育てている皆さんに広く周知していきたいと考えています。