ニューヨークのブルーノートにも出演され、東大法学部卒としても有名なミュージシャンです。
休日で、保護者も招待されました。
息子がまだ小学校低学年のころのことです。
生演奏はオーデイオを介した音楽とは、各段の差があります。
障がいのある方でも、大人しい方は経験する機会もあると思いますが、息子のような多動の症状があると、他の方の迷惑を考え、鑑賞する機会がほとんどありません。
招待状を見たとき、参加を躊躇しました。
息子のようなお子さんも来るだろうし、ボランテイアで演奏してくださる鈴木さんや主催された方もご理解されているだろうと思い、息子をつれて参加することにしました。
アットホームな雰囲気の会場でした。
息子が途中で飽きて走り回ることを考え、後ろのほうの席に座りました。
途中退出し、息子の好きな散歩に切り替えればよいと思いました。
コンサートが始まり、鈴木さんが登場し、挨拶に続いて演奏が開始されました。
CDやウォークマンで聞き慣れた歌声でしたが、生で聞くとグッとハートに響き、引き込まれていきます。
息子や他の生徒さん達をみると、みんな大人しく、嬉しそうに鑑賞しています。
曲の合間に、鈴木さんのトークが入ります、落ち着いた穏やかな声で、子供たちも魅了されていました。
コンサート会場では、演奏する側と観客側が、あうんの呼吸で雰囲気を盛り上げていきます。
音楽のジャンルによって盛り上げ方は多少異なりますが、相互の意思表示でコミュニケーションが成立し、感動も共有できます。
障がいのあるお子さんも、感激の意思表示はしますが、場面に則した表現は難しい方が多いため、保護者や支援者の方が子供たちに代わって場を盛り上げていきました。
3回目くらいの曲の合間のトークの時、突然息子がつかつかと鈴木さんに近寄って行きました。予想外の行動で止める暇がありませんでした。
座っていても背の高い鈴木さんを横から笑顔で見上げていました。
手をすっと出し、鈴木さんと握手を交わしました。
「よく来てくれた、とても良かった…」と言わんばかりに。
周囲の保護者や支援者の方から歓声が上がりました。
とても印象に残ったコンサートで、鈴木さんのボランティア活動の心意気を息子が感じ取り、アドリブで場面を盛り上げたんだと思っております。
0 件のコメント:
コメントを投稿