2016年10月10日月曜日

開け放しの出入り口

息子の事故は、息子に限らず、入所者ならだれでも起こりうる事故でした。
  まさか、出入り口のドアがたびたび開け放されていたなんて思いもしませんでした。
  息子を含め、2人の入所者が外に出たあと、外出していた主任職員がドアの全開に気づき閉めましたが、入所者の安全を考えた点呼をとることはしませんでした。
  開かれているのが日常的であったとしか考えられない行動です。
  息子と一緒に出入り口から出ていた1人の入所者を建物の外で見つけ、保護した別の職員から報告をうけても、ドアの全開に気づき、それが原因で出て行ったと判ったはずの主任職員は、それでも点呼を取りませんでした。
  ドアはオートロック式の開閉扉。閉まったときに電子ロックされます。中からは職員が管理するカードキーがないと開くことができませんが、外からはドア上部のボタンを押せば、誰でもあけることができます。重度障がいのあるお子さんでも、部外者でも、また悪意のある人物でも…。
  入所者の学校からの下校には、年齢や障がいの度合いに沿って職員が付き添って迎えます。
  高校生で単独でバスに乗れる入所者には施設の近くの停留所まで職員が迎えに行き、生活棟のドアまで連れていきます。
  単独では難しい入所者には、施設の車で迎えに行き、また中学生以下には、スクールバスが施設の敷地内まで送り届けます。
入所者単独ではドアを開けないことになっていたはずでした。
  息子の事故の発端は、バス停まで入所者を迎えにいった職員のルール無視でした。
  男女2人に付き添ってそれぞれの生活棟に付き添うはずの職員が、男子の入所者に単独で帰るよう指示したのです。気分の悪くなった女子の介助が必要になったためとのことでした。連絡用の携帯電話で男子生活棟に控えている職員に入口まで付き添えない事態を報告することもしませんでした。
  生活棟の中のドア付近には見張り役の職員が待機しているはずでした。
  見張り役の職員は持ち場を離れる場合、隣接スペースの控室にいる職員に連絡することになっていましたが、せずに、突発的に発生した洗面エリアが水浸しになる事象に対応するため、無断で持ち場をはなれていました。
  先に下校していた中学生以下の子供たちが大勢付近にいるのに…。
  職員の付き添いなく入棟した入所者が開けたドアから、息子を含め2人の子供が外にでました。ドアは閉まると電子ロックがかかりますが、全開にすれば開け放されたままになります。残された防犯ビデオの画像からは、ドアの開閉の状況は識別できず、いつから、どのくらいの時間全開になっていたのかはわかりません。
  点呼をとられなかったため、事態発生から、1時間以上は息子の行方不明は認識されませんでした。
  点呼をとるルールがもともとなかったのかもしれません。
さらに、防犯カメラの不調を以前から放置し、故障しているものとみなして、生活棟内や敷地内を自分達でさがし、警察への通報まで、2時間以上も経過していました。
  児童相談所に相談し、複数の目を期待して入所させたのですが、今から思うと自宅のほうがよほど安全でした。


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