後ろ向きなことが思い浮かぶこともありましたが、希望も持っていました。 息子がいつ帰ってもいいように、できる限り家族の誰かが家に居るようにしました。どうしてもやむを得ず出かけるときには、外壁の門は開けておき、ポストに食べ物や飲み物を入れて置きました。きっとお腹を空かしているに違いない・・・と。
行方が分からぬまま、登山道で、息子が施設から持って出たおもちゃが発見されました。 30曲の童謡が選べる音の出る絵本でした。雨に濡れてか、電池を交換しても音は鳴りませんでした。
以降の情報がなく、いら立つ日々。2週間、3週間 どれだけの日数が経ったか覚えていません。ある日のこと、「もう帰って来られないんだ、きっと・・・」夜中に戻ってもいいように一晩中灯していた門燈を消しました。 その瞬間です。鳴らなくなっていた音の出る絵本が突然鳴り出したのです。♪「ポケットの中にはビスケットがひとつ・・・」♪30曲のうちなぜかその曲でした。
よほどお腹が空いていたのでしょうか・・・。息子が門燈を消さないでと言っているようにも思えました。
門燈は再び一晩中灯しておくことにしました。絵本が鳴ったのはだだの一度きりで、その後、二度と鳴ることはありませんでした。いつのまにか、門燈も点かなくなりました。電球を交換してもだめでした。点かなくなっても、習慣で門燈のスイッチを押してしまう毎日。
新盆が近づいた7月のある日、点かなかった門燈がほんの数時間だけ点いたのです。
家は古くなり、またおもちゃも温かくなるテレビの横に置いていたため、何かの接触で点いたり鳴り出したりしたのかもしれません。私たち家族にとっては不思議な体験でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿