子供を守るネットワーク 略称「こどもネット」
三多摩地域に所在する企業とその労組で構成され、市町村が支援しています。
主に、バス・タクシー・宅配トラックの交通機関やインフラ関係の企業と市町村の公用車が車両に指定のステッカーを張り付けて掲示しています。
こどもネットの説明のチラシが小学校や保育施設に掲示され、市町村のホームページにも掲載されています。
チラシの内容は、「このステッカーを貼った車がみなさんを見守っています。危ないこと、怖いことがあったら声をかけてください」というもの。
保護の手順も定められています。
①社員が車両業務中に子供の身の危険を察知し、一定の判断に基づき、こどもを一時保護する。
②落ち着かせたうえで、警察へ110番通報する。
③警察の指示に基づき保護の対応を行う。
④会社に一報をいれる。
息子を乗せたバスの会社はこどもネットに加盟しており、車両にこのステッカーを掲示していました。
息子が施設から出て、行方不明になった時に、接触があったと確認できているのは、乗車したバスの運転手で、大声を出し、バス乗車のルールも判らずに介助者なしで、終点で運賃を払わず下車しても通報をしなかった件は開設当初のブログで発信しました。
バス会社に対し、警察に通報しなかった件について問いただしたところ、対応した担当者の回答は、思ってもいない内容でした。
乗務員の役割は乗客を目的地まで安全に移送することで、通報の義務はない。
痴漢それに類する行為で他の乗客に著しく迷惑をかければ通報するが、今回の事故は通報の対象ではない。
今後も、乗務員に対し教育するつもりもない。
というものでした。
違和感を感じ、子供ネットの運営団体と支援している八王子市に照会したところ、運営団体から、「子供ネットは子供たちが不審者から狙われるのを防ぐのが目的で、息子のような事案は対象外であった。今後は検討していきたい。」との回答がありました。
設立して10年経ち、特にチラシやマークからは読み取れないものの、通報して子供を助けるケースは痴漢行為に限定していたとのことでした。
ステッカーは黄色い輪のなかに、赤塚不二夫のマンガに登場するようなお母さんと幼児が笑っているデザインで、「こどもを守る」と表記があるだけです。痴漢行為を目撃したら通報するのは当たり前のこと。ステッカーを貼ることがそうした行為の牽制が目的なら、漠然としたスローガンではなく、具体的に明示すべきものと考えます。
迷子や困っているようなお子さんがいても、保護の対象ではなく、通報の義務はないということになります。障がい者だけでなく、健常のお子さんをお持ちの親御さんも誤解を招くようなステッカーだと違和感がぬぐえません。
障害者差別解消法が施行された今、スローガンに違和感が感じられないよう改善すべきだと思います。
誤解をさけるため、以下、子供ネットの事務局からの回答を宛名と発信者名を除いて掲載します。
(長文です。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この度は、ご子息のご冥福、心よりお祈り申し上げます。
先日、ご頂戴致しました件に関し、「こどもを守るネットワーク」としての見解を述べさせて頂きたいと思います。
こどもを守るネットワークは、2006年に設立し、2016年6月をもって満10年が経ちました。当初、全国でこどもたちが不審者から狙われる状況を踏まえ、三多摩地域において、こどもたちが安心して安全に暮らせるよう、労働組合、連合として何かできないか、という視点で議論を重ね、設立に至りました。
日々の活動としては、三多摩地域において車輌業務に携わる社員・組合員を中心に、こどもの見守り活動を行っています。
具体的には、こどもが不審者からの“声掛け”“身体接触”“公然わいせつ行為”等に遭遇した場合、「こどもを守るネットワークのステッカーを貼っている車に、こどもが安心して助けが求められるよう、また、こどもが助けを求めてきた時は、運転手は、一時的にこどもを保護する」といった内容となっています。
よって、今回のバス車内で起きた事案とは、少し異なることだと考えます。しかし、「こどもを守る」ということには何ら変わりはないことも事実でございますので、今後については、今回の出来事を真摯に受けとめ、こどもを守るネットワーク対策委員会で議論し、立川警察にも助言を頂きながら、今回のような事案についても検討していきたいと考えています。